健診で異常を指摘された
健診で異常を指摘された

毎年受けている職場の健康診断や市区町村の特定健診。結果票を開いたとき、「要再検査」「要精密検査」「要治療」「D判定」などの文字が目に入った経験はないでしょうか。
「去年も同じ結果だったし、とくに症状はないから大丈夫だろう」 「病院に行くほどのことでもないかもしれない」 「忙しくて、受診するタイミングを逃してしまった」
——健康診断で異常を指摘されても、症状がないためつい後回しにしてしまう方は少なくありません。
しかし、健診で指摘される高血圧・脂質異常症・血糖の異常・心電図異常・肥満といった項目の多くは、現時点では自覚症状がなくても、放置すると心筋梗塞・脳卒中・心不全などの深刻な病気へと進展するリスクを持っています。健診の結果は、体があなたに送っている「早めのサイン」であり、早期対応のチャンスです。当院では、循環器専門医が健診結果を詳しく読み解き、必要な精密検査や治療・生活指導を行います。「要精密検査」と書かれた結果をお持ちの方も、ぜひお気軽にご相談ください。
収縮期血圧(上の血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(下の血圧)が90mmHg以上の場合、高血圧と診断される基準に相当します(日本高血圧学会ガイドラインより)。高血圧は自覚症状がほとんどなく「サイレントキラー」とも呼ばれますが、放置すると動脈硬化が進み、心筋梗塞・脳卒中・心不全・腎臓病などのリスクが高まります。
空腹時血糖が126mg/dL以上、またはHbA1c(過去1〜2か月の平均血糖値を反映する指標)が6.5%以上の場合、糖尿病の診断基準に相当します。糖尿病も初期は自覚症状がほぼなく、進行すると神経障害・網膜症・腎症の三大合併症や、心筋梗塞・脳卒中リスクの上昇につながります。
LDLコレステロール(悪玉)140mg/dL以上、HDLコレステロール(善玉)40mg/dL未満、中性脂肪150mg/dL以上のいずれかを満たす場合、脂質異常症と診断されます。脂質異常症は動脈硬化を促進し、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞のリスクを高めます。
すでに狭心症・心筋梗塞・脳梗塞など動脈硬化による病気の既往がある方はより注意が必要です。
健診の心電図検査で指摘されやすい異常には以下のものがあります。心電図の異常は追加検査(心エコー・ホルター心電図など)で詳しく評価することが重要です。
ST変化(ST低下・ST上昇)
狭心症・心筋梗塞などが疑われる変化
左室肥大
高血圧が心臓に与える負担を示すサイン
心房細動・その他の不整脈
脈のリズムの乱れ。脳梗塞リスクと関連することがある
完全・不完全脚ブロック
心臓の電気伝導の異常
心電図異常が必ずしも治療が必要な疾患を示唆しているというわけではないですが、知らず知らずのうちに心臓に負担をかけているサインの可能性があります。特に動悸・胸の痛み・息切れなどの症状も伴っている方はお早めに受診することをおすすめします。
尿たんぱく陽性は腎臓や泌尿器の病気のサインとなることがあります。肝機能(AST・ALT・γ-GTP)の異常は脂肪肝・アルコール性肝障害・非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)などが疑われる場合があります。放置すると慢性肝炎・肝硬変に進行する可能性があるため、原因の特定と生活習慣の見直しが重要です。
当院では、健診結果の精密評価に対応した検査を院内で行っています。
診察の結果、専門的な治療が必要と判断した場合は、連携する大学病院・専門医療機関へご紹介します。
健診の数値を改善するために、まず生活習慣の見直しが基本となります。
食事
塩分・脂質・糖質の過剰摂取を控え、野菜・食物繊維を意識して摂る
運動
1日30分程度のウォーキングなど有酸素運動を週3〜5回継続する
禁煙
喫煙は血圧・血糖・脂質すべてに悪影響を与える
節酒
過剰な飲酒は血圧上昇・脂質異常・肝機能障害の原因となる
定期受診
治療中の方は薬を自己判断で中止せず、定期的に受診する
健診で異常を指摘され受診される方は以下のものをご用意ください。
健診の「異常」は、単に病気の始まりを示唆しているものではなく、生活を見直す最良のタイミングです。一人で結果を抱え込まず、専門医に相談することが、健康な未来への第一歩となります。どうぞお気軽にご来院ください。
※本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個々の症状・治療法については必ず医師にご相談ください。
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